電気設備を取り扱う際によく耳にする「MCCB」と「MCB」、「MCCB」と「ELCB」にはどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、MCCBとMCB、MCCBとELCBの違いについて解説します。読むことで、それぞれの特徴や使い分けがわかるようになります。
MCCBとMCBの違い
MCCB(Molded Case Circuit Breaker)とMCB(Miniature Circuit Breaker)は、どちらも電気回路を遮断するための保護機器です。しかし、以下のような違いがあります。
- MCCBは大容量
- MCBは小容量
MCCBは、Molded Case Circuit Breaker(モールドケース・サーキットブレーカー)の略称です。大容量の電力を扱うための保護機器で、建物や工場などの大型施設に使用されます。以下の画像がそうです。
一方、MCBは、Miniature Circuit Breaker(ミニアチュア・サーキットブレーカー)の略称です。小型・中型の回路に対して使用され、一般家庭のブレーカーボックスに取り付けられていることが多いです。以下の赤枠で囲ったものです。
例えば、MCCBとMCBの違いは、水道のバルブに例えることができます。
MCCBは大きな水道管に取り付けられたバルブで、大量の水を止めることができます。一方、MCBは家庭の蛇口に取り付けられたバルブの流れを制限することができます。
このように、MCCBは大電力を扱うためのブレーカーで、MCBは小電力を扱うためのブレーカーです。
MCCBとELCBの違い
MCCBとELCB(アース漏電遮断器)も、どちらも電気回路を遮断するための保護機器ですが、以下のような違いがあります。
- MCCBは、電気設備に流れる電流が定格電流を超えた場合に回路を遮断する
- ELCBは、漏電が発生した場合に回路を遮断する
MCCBは、漏電を検知することはできません。一方、ELCBは漏電を検知し、電流が人体に流れることを防止するための保護機器です。
ELCBは、一般家庭で使用されることが多く、以下の赤枠がそうです。
MCCBとELCBは、例えるならば防犯カメラと盗難防止システムの違いです。
防犯カメラは、監視することで異常を検知することができますが、盗難を完全に防止することはできません。一方、盗難防止システムは、異常が発生した場合に警報を発して盗難を防止することができます。
このように、MCCBは過電流保護や短絡保護などが主な機能であり、ELCBは漏電が発生した場合に自動的に電流を遮断するためのブレーカーであり、人体に直接電気が流れることを防ぎ、電気事故を防止する役割があります。
まとめ
今回は、電気回路においてよく使われるブレーカーであるMCCB、MCB、ELCBの違いについて説明しました。まとめると以下の通りです。
- MCCBとMCBは、回路の電流制御のために使用されますが、MCCBはより大規模な回路に使用され、MCBは小規模な回路に使用される
- ELCBは、漏電が発生した場合に自動的に電流を遮断し、電気事故を防止するためのブレーカーで、一般家庭で使用されることが多い
それぞれのブレーカーは、役割や適用範囲が異なるため、適切なブレーカーを選定することが重要です。また、正しい取り扱い方法や定期的な点検も欠かせません。
これらのブレーカーについて正しく理解することは重要です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは。