皆さんは、ブレーカーの契約容量を把握していますか?この契約によって、各家庭で一度に使える電気量が決まっています。
契約容量を知らずに、お構いなしに電気を一気に使うとブレーカーが落ちて停電状態になってしまいます。
また、「普通に使っているのにしばしば停電してしまう」という事態は、契約容量が低すぎることが考えられます。
逆に、契約容量が大きすぎて電気代を無駄に払っている方もいるかと思います。
そこでこの記事では、現在契約しているブレーカーの容量を知る方法と契約変更の仕方、契約容量の決め方を解説していきます。
もくじ
ブレーカーの容量はどこを見るの?
ブレーカーの容量の契約をしているけど、「どこに容量が書いてあるのかわからない」と嘆いている方はいると思います。
確認方法としては以下の2つがあります。
- アンペアブレーカーを見る
- 検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見る
ここからそれぞれの確認方法を説明していきます。
アンペアブレーカーを見る
まず、分電盤にアンペアブレーカーが設置されている場合は、それを確認すれば電気の容量を知ることができます。以下の赤枠で囲ったブレーカーがそうです。
分電盤の一番左側にあるブレーカーがアンペアブレーカーと呼ばれるものです。この上部に〇〇Aと記されています。上の写真の場合は、「30Aの容量なんだな」と契約内容が一目瞭然です。
また、「アンペアブレーカーが付いていない」ということがあります。その場合はスマートメーターと呼ばれる電気メーターで電気容量を管理しているので、分電盤では確認できません。
その場合は次の指針票で見ることで確認できます。
このように、分電盤のアンペアブレーカーのA(アンペア)数を確認することで、契約容量を知ることができます。
検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見る
次に、毎月送られてくる検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見ることで確認できます。私の場合は、以下の写真の所に契約容量が記されています。
おそらく、電力会社によって表記される場所は違ってくると思いますが、契約容量は書いてあるので確認してみてください。
このように、検針票(電気ご使用量のお知らせ)を見ることで、契約容量を確認することができます。
ブレーカーの容量を上げたい!変更方法
アンペアブレーカーの容量を「上げたい、下げたい」といった変更は、ご契約の電力会社に電話などをして依頼をすれば、無料でアンペアブレーカーの取り換え工事をしてもらえます。
また、スマートメーターの場合はブレーカーの交換作業がなく、遠隔操作で契約容量を変更できるのでスピーディーです。
しかし、一度アンペア変更を行ったら一年間は変更できないのでしっかり考えて変更してください。
基本的にスマートメーターやアンペアブレーカーは、電力会社の所有物であり、それぞれを更新したり交換する費用はかかりません。ただ、その更新作業にともない漏電ブレーカの容量が足りない場合は、交換作業が必要な場合があります。
それは、ご自身での負担となることが多いです。必ず、更新時に別途費用が掛かるのかどうか確認するようにしましょう。
このように、ブレーカーの容量を変えるときは、ご契約の電力会社に連絡すれば、変更することができます。
ブレーカー容量の決め方
ブレーカー容量の決め方は、各家庭によってさまざまですが、以下のおおよその目安を参考に決めるのもありです。
- 10A=ほとんど自宅を使用しない単身世帯向け
- 15A=寝に帰るだけの単身世帯向け
- 20A=あまり電気を使わない単身世帯向け
- 30A=単身もしくは二人程度の世帯向け
- 40A=三人以上のファミリー世帯向け
- 50A=大家族など人数も家電の数も多く電気を多く使う家庭向け
- 60A=二世帯住宅など人数が多く家電も多く使う家庭向け
- オール電化の場合は60A以上
大体、一人暮らしだと30A、ファミリーであれば40A〜50Aであることが多いですね。
料金に関しては、アンペア数が上がるごとに基本料金が上がる仕組みになっています。ここでは、東京電力の料金プランを紹介します。
単位 | 料金(税込) 【2023年5月31日まで】 |
料金(税込) 【2023年6月1日以降】 |
||
---|---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 295円24銭 | 295円24銭 |
15A | 〃 | 442円86銭 | 442円86銭 | |
20A | 〃 | 590円48銭 | 590円48銭 | |
30A | 〃 | 885円72銭 | 885円72銭 | |
40A | 〃 | 1,180円96銭 | 1,180円96銭 | |
50A | 〃 | 1,476円20銭 | 1,476円20銭 | |
60A | 〃 | 1,771円44銭 | 1,771円44銭 |
このように、ブレーカーの容量の決め方は、人数とどのくらい家電を使うか?が目安になります。
ブレーカー容量をしっかり決めたい場合
ブレーカー容量をしっかり決めたいという方は、計算して決める方法もあります。
そのためには、電気の基本知識を知る必要があります。以下の関係性を把握することが大事です。
- アンペア(A)について
- ボルト(V)について
- ワット(W)について
ここからそれぞれ解説していきます。
アンペア(A)とは?
アンペア(A)は、一秒間に流れる電気の量の単位です。
水道に例えると、水がたくさん流れるときは「アンペア数が大きい」状態です。逆に、少しの水しか流れないときは「アンペア数が小さい」状態だといえます。
このように、アンペアは電気が流れる量ということになります。
ボルト(V)とは?
ボルト(V)とは、電気を押し出す力「電圧」のことです。
例えば、水道のホースを使った状態を想像してください。使った後はホースの中に水がまだ残っています。
ホースの片方を口で咥えて、思いっきり空気を吐き出すと、中に入っていた水が勢い良く出てきます。軽く吐き出すと勢いは落ちます。
まさにこの水を押し出す力は、電圧のイメージと同じことが言えます。
日本の一般家庭では、100Vと200Vなので、電圧を気にする機会はあまりないと思います。しかし、海外に行く際には、電圧が違うので日本の家電製品を使用するときは、変圧器が必要になることがあるので、よくその国の電気事情を調べていってくださいね。
ワット(W)とは?
ワット(W)とは、1秒間に消費される電気エネルギー(消費電力)の単位になります。
水道に例えると、水の量がアンペアでボルトは水圧、ワットは流すことができた水の量ということになります。
水の量が多く(アンペア)、さらに圧力が大きい(ボルト)ほど、たくさんの水を流すことができますね。その比率で1秒間に流すことができる水量がワット(W)です。
式で表すと
ワット(W)=アンペア(A)×ボルト(V)
(例)1500Wの電子レンジの場合
1500(W)=15(A)×100(V)
という関係性になります。日本では、一般住宅に供給される電気の電圧(ボルト)は基本100Vです。また、IHクッキングヒーターや電気自動車のコンセント、200V用のエアコンのコンセントなどは200Vになります。
つまり、「100V×アンペア(A)」か「200V×アンペア(A)」という式になり、アンペアによってワット数が変わるということです。
このように、ワット(W)とは、1秒間の消費電力です。アンペア(A)とボルト(V)の積がワット(W)になります。
計算方法
ここからは、アンペア契約で必要な容量を計算していきます。
アンペアがわかっている家電製品はそのまま足し算していけばいいので、まずは、ワット数しかわからない家電をアンペアになおす計算が必要です、これは以下の式ででます。
アンペア(A)=ワット(W)÷ボルト(V)
12(A)=1200(W)÷100(V)
この計算で、使用する家電のアンペア(A)を把握していきます。以下の表はよく使用する家電のアンペアの目安です。
- 電子レンジ・・15A
- 電気ケトル・・10A
- 冷蔵庫・・2.5A
- IHジャー炊飯器・・13A
- ドラム式洗濯乾燥機・・洗濯時2A
乾燥時13A - エアコン・・6.6A
- 電気ヒーター・・9A
- 液晶テレビ・・2.1A
- デスクトップパソコン・・2A
- 照明・・1A
ここに書いた家電を全て足すと、60.2Aになってしまいます。しかし、実際の使用状況は、全て同時に使うことはありません。
常に電気が必要なものは冷蔵庫ぐらいで、後はその時々によって使用すると思います。気にする項目は以下のことを気にすればよいと思います
- キッチン家電はよく使うか?
- エアコンは、冬や夏はよく使用すると思うので、同時に何台使用することが見込まれるか?
キッチンに関しては、家電がかなりあるので、同時に使用すれば確実にブレーカーが落ちます。各回路(各お部屋)は、基本的に「20Aまで」ということになっています。
そのため、キッチンをどう使用するかで契約の仕方は変わります。
例えば、キッチン家電をよく使用する場合
- キッチン・・15A~20A
- 3部屋のエアコン・・6.6A×3=19.8A
(15A~20A) +19.8=34.8~39.8Aになりますね。この場合は、40Aアンペアの契約だと他の家電や照明を使った時に、足りない可能性が高いので、50Aの契約になりますね。
キッチンをガッツリ使いながら、各お部屋のエアコンもガッツリ使うという状況では、かなりの電力を使用します。
キッチン家電を普通に使用する場合
- キッチン・・10A~15A
- 3部屋のエアコン・・6.6A×3=19.8A
(10~15A )+19.8A=29.8A~34.8Aになります。この場合は、40Aで大丈夫かなと思います。基本的に4〜5人家族であれば、40Aで問題ないことが多いです。
また、最近はエコな家電が多く、アンペアが低くなっている家電も多いのでどのくらいの電気を使用するのか把握しておきましょう。
しかし、不安であれば、多めのアンペア契約は安心です。
このように、各家電がどのくらいアンペアを使用するのか把握し、どのように使用していくのかをイメージできれば、契約するべきちょうどいいアンペアが導き出せると思います。
ただ、足りないよりは余裕があったほうがいいと思うので、「これくらいあれば安心だよね」といった具合で決めるのもありです。
まとめ
ここまで、ブレーカーの容量を知る方法と契約変更の仕方、契約容量の決め方を解説してきました。まとめると以下の通りです。
契約容量の確認方法
- アンペアブレーカーを見る
- 指針表を確認する
容量の変更方法は、電話などで変更の連絡をする。
容量の決め方はご自身の使用状況で変わるが、基本的に単身の場合は30A。ファミリーの場合は40Aか50A。オール電化は60A以上を目安にしましょう
ここまで読んでくださりありがとうございました。
それでは。