コンセントについている、アース端子は一体なんの意味があるのだろう?と疑問に思っている方は少なくないと思います。
これがわかると、電気のことが少しずつ理解することができます。電気は便利ですが危険も伴うので、知識をえることは大事です。
この記事では、コンセントについてるアースの意味について解説していきます。最後までご覧ください。
アースの役割
アースの役割は主に、電気が漏れた(漏電)際に、地面に電気を逃すことです。
電気は、抵抗が低い方に流れる性質があります。そして地面は抵抗が低いので、アース線を介して漏れ出た電気は地面に流れていきます。
例えば、経年劣化で電子レンジが漏電を起こしてしまったとします。その際、アース線が接続されていないと漏れた電気が電子レンジ内部で行き場を失っています。
そんな中、人間が電子レンジに触った際に「待ってました」と言わんばかりに、人体を介して地面に電気が流れます。これを、感電したといいます。
この状況を回避するため、漏れ出た電気はアース線を介して地面に流れ「感電しない」という安全対策をとっておく必要があります。
このように、アースの主な役割は、感電回避です。ただし、以下のような役割もあります。
- ノイズの軽減
- 雷被害の予防
ここからそれぞれ解説していきます。
ノイズの軽減
ノイズとは、パソコンやテレビ、電子レンジ、洗濯機などの電子機器や家電製品から出る電磁波が悪さをすることです。
このノイズによって、電話の雑音や、インターネットがつながりにくいなどといったトラブルが起こることがあります。
アース線を接続することによって、この被害を軽減することにつながると言われています。
このように、電磁ノイズを軽減する役割もアース線は担っています。
雷被害の予防
アース線がないと、雷被害で家電製品などが壊れます。雷という自然現象には、人類は勝てないものの、ある程度予防はできます。
アース線があることで、雷の高電圧を地面に逃すことができます。しかし、雷は凄まじく、それでも被害はでてしまうことはあります。
落雷の被害は、直接落ちなくても、近くに落ちただけでも被害はあります。
このように、アース線がないと雷の影響をもろに受けてしまうので、いろんな家電品が壊れるリスクが高まります。
アースが必要な場所
- エアコン
- 冷蔵庫
- 食器洗い乾燥機
- 電子レンジ
- 洗濯機
- 乾燥機
- ウォシュレット
- IHクッキングヒーター
- 地下室
これらのものは、2016年にアース線の接続は義務付けられました。
また、2022年にも改定されており、キッチン、洗面所、トイレ、地下室など、湿気の多い場所や水回りなどで、アース付きコンセントの設置が義務化されました。
なので2016年以降の新築で、キッチン、洗面所、トイレ、地下室のコンセントはアース付きコンセントがマストということです。
このように、水気のある場所や湿気の多い場所、使用電圧の高い場所はアースが義務化されています。
アース線をつけてはいけない場所
アース線をつけてはいけない場所は、以下の通りです。
- ガス管
- 水道管
- 電話用のアース線
- 避雷針
場所がないからといって、ガス管、水道管、また電話用のアース線などにつなぐのは危険です。
ガス管に線をつないだ場合にはガスへの引火や爆発などのリスクがあり、電話のアース線や避雷針などにつなぐと落雷時に事故が起きる可能性があります。
水道管は基本的に樹脂でできているため、線をつないだとしてもアースとしての役割を果たしません。アース線をガス管、水道管などにつなぐことは法令(電気設備の技術基準)で禁止されています。
このように、きちんと決められた場所に取り付けないと、危険になるため注意が必要です。
まとめ
ここまで、アースの意味について解説してきました。まとめると以下の通りです。
アースの役割
- 感電予防
- ノイズの軽減
- 雷被害の軽減
アースをつけなくてはいけない場所は、これまでに危険なことがあったということでもあります。ご自身の安全のためにもアース線の接続はしっかりしていきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは。