床下にカビが発生して、「カビ臭い」「一階の物入れや床下収納にカビが生えてる」といったような状況でこの記事を見ている方は少なくないと思います。
床下が原因であると、湿気とりや除湿機などを活用しても根本的な解決になりません。
この記事では、床下にカビが生える原因と対処法を紹介していきます。
もくじ
床下にカビが発生する原因
カビが発生する原因は以下の条件が揃った時です。
- 湿度(70%以上)
- 適度な温度(20〜35度)
- 栄養分(汚れや雑菌)
- 酸素
湿度が60%以上になるとカビが生えやすくなり、80%を超えると活発に繁殖します。カビが好む温度は20〜35度で、ホコリや汚れ、雑菌など有機物を栄養にします。あとは酸素があるところですね。
この4つの条件のうち1つでも予防することができれば、カビは生えにくいです。例えば、冬は温度が低くなるので、カビの発生は抑えられるとかです。
ここから、床下でカビが発生する原因を考察していきます。以下の状況が、考えられます。
- 排水管から漏水したことがある
- 台風や洪水で床上、床下浸水した
- もともと田んぼや沼地など湿地帯だった
- 周囲の土地より低い
- 換気口が塞がれている
- 基礎部分がコンクリートでできている
それぞれ解説していきます。
排水管から漏水したことがある
過去に排水管から漏水したことがある場合は、床下にカビが発生している可能性があります。
特に、トイレやお風呂の汚水管・排水管の漏水は、栄養を含んだ水分なのでカビが繁殖しやすくなります。また、漏水したので湿気も高くなりカビの生えやすい環境の出来上がりです。
このように、排水管の漏水で、カビが繁殖する可能性があります。
台風や洪水で床上・床下浸水したことがある
台風や洪水で床上・床下浸水したことがある場合は、カビが発生しやすくなります。
湿気が高くなりますし、水が引いて乾燥したように見えても、菌が繁殖してカビの発生へとつながります。近年は、未曾有の自然災害が多いので、床上・床下浸水になってしまう可能性は上がっている気がします。
なるべく早い段階で対策を打つ必要がありますが、保険関係などの手続きもあると思うのでなんとも言えないところです。
このように、床上・床下浸水したことがある場合は、カビが生えやすくなります。
もともと田んぼや沼地などの湿地帯だった
もともと田んぼだった、沼地だったということだと、そもそもの土壌の水はけが悪く、土に湿気が多く含まれています。
こうなると、どうしても下からの湿気が他の土地より高くなる環境です。そのため、床下の湿気が常に高くなり、カビが生えやすい環境ができてしまいます。
このように、湿地帯だったということだと、そもそもの土壌が湿気を多分に含んでおり、カビが生えやすい環境になります。
周囲の土地より家が低い
周囲の土地よりも家の土壌面が低い場合は、雨水が流れ込みやすくなります。すると、床下に湿気が溜まりやすい状況になり、カビが発生しやすくなります。
例えば、大きい視点だと、周りが山に囲まれている盆地は湿気が溜まりやすいです。やはり湿気が溜まりやすいと、カビは発生しやすくなります。
このように、周囲の土地より家が低い場合は、湿気が溜まりやすくカビが発生しやすいです。
換気口が塞がれている
基礎の換気口が、室外機やプランターなどで塞がれている場合は、湿気がこもりカビが発生しやすくなります。
基礎の周りは、何箇所か換気口が設置されてることがほとんどなので、塞がないように意識しましょう。
このように、換気口を塞いでるために湿気がこもりカビが発生してしまいます。
基礎部分がコンクリートでできている
基本的に、基礎はコンクリートでできています。そのコンクリートは、砂利とセメントと水を混ぜ合わせて作ります。コンクリートに含まれた水分は、数年単位で徐々に蒸発し、特に最初の1年は水分が大量に蒸発するため、床下の湿度が上がってカビが発生しやすくなります。
新築だからこそカビが発生しやすい状況になるので、防カビ対策は大事です。
このように、基礎のコンクリートは水分が徐々に蒸発するので、湿度が上がりやすくカビが発生しやすくなります。
床下のカビはどうやってわかるの?
床下のカビは確認できないのでどうわかるのと疑問を持っていると思います。実際、床下にカビが繁殖すると、カビ臭くなります。特に、1階のお部屋や物入れがカビ臭くなり、湿気が強いと感じられると思われます。
カビの臭さは、湿った土や腐った木材のような不快な臭いという感じで表現されます。そのような嫌な匂いを感じられたらカビが生えている可能性があります。
このように、床下のカビ問題は見過ごしやすいですが、なんとなくやな匂いがする、湿気が多いという場合は、床下を疑っていいかもしれません。
カビによる健康被害と家屋被害
カビは、健康被害や家屋の被害にもつながる厄介な物です。カビによる以下のような状況が予想されますので、気をつけましょう。
- カビの健康被害
- シロアリの発生
- 腐朽菌の発生
ここからそれぞれ解説していきます。
カビの健康被害
カビは、空気を通じて家の内部に胞子を放出し、以下のようなアレルギーや呼吸器系の被害をもたらす可能性があります。
- アトピー性皮膚炎
- 蕁麻疹
- 鼻炎
- 喘息
- 結膜炎
- 肺炎
もちろん、人によってその症状は様々です。ひどくなる人がいたり、全く問題なかったりします。人それぞれの体の強さにもよりますが、カビは健康に良くはないです。
このように、カビによる健康被害があります。
シロアリが発生する
カビとシロアリは似ています。それは、高温多湿の環境を好むということです。そのため、カビが繁殖しているということは、シロアリも繁殖する可能性があります。
シロアリは、木造の柱や基礎部分をかじってボロボロにしてしまいます。こうなると家の強度が落ちるのは時間の問題です。
知らずに放置すると家の寿命が短くなったり、地震などで倒壊しやすくなったり大変危険です。カビの調査とシロアリの調査は一緒にやりましょう。
このように、カビが生えていたらシロアリの発生も注視しましょう。
腐朽菌が発生しやすくなる
腐朽菌とは、木材を腐らせる菌です。これは、含水率が20%を超えると発生しやすくなります。
例えば、カビが大量発生して木材を覆うと、水分が蒸発しにくくなるため、木材の含水率が上昇して腐朽菌が発生します。特に30℃前後がもっとも発育に適しているため、高温多湿になりやすい床下は注意が必要です。
繁殖すれば多くの木材が腐り、耐久力が下がって家の寿命が短くなってしまうので、怖い菌だと言えます。
このように、カビの発生によって木材の水分が上昇し、腐朽菌が増え木材を腐らせる可能性があります。
床下のカビは業者にお願いしよう
床下にカビが発生し、どうすればいいかわからないと思います。個人では床下のカビ処理は難しいので業者にお願いしましょう
専門業者によって施工方法は異なりますが、まずは調査します。床下に潜り、カビの範囲が全体なのか部分的なのかを調べます。また、床下が狭く潜るのが難しい場合は、床をはがすこともあるようです。
カビの範囲が分かったら、専用の薬剤を使用してカビを除去します。
カビを除去できたら、カビの繁殖を防ぐために防カビ剤でコーティングします。
このような流れでカビの除去をしていきます。床下のカビは。とても素人には対応できないので、専門業者に依頼しましょう。
カビが発生しない対策
今後カビが発生しない対策は大事です。以下の対策があります。
- 換気口の通気をよくする
- 床下調整剤をまく
- 床下換気扇を設置する
ここから、それぞれ解説していきます。
換気口の通気を良くする
床下換気口をエアコンの室外機やプランターなどで塞いでいる場合は、移動させて通気を良くしましょう。
換気口の前にものがあると空気の流れを妨げるので、換気が十分にされないため、湿気が溜まりやすいです。湿気はカビの大好物なので、この状態は避けましょう。
このように、換気口の通気をよくすることでカビの発生の予防になります。
床下調湿材をまく
床下調湿材は、湿度が高いときは湿気を吸収し、低いときは湿気を放出して湿度をコントロールしてくれる資材です。
これは、床下の結露を抑え、カビ・木材を腐食させる腐朽菌・白アリの増殖を抑える効果もあります。 ご自身でやるのは、なかなか厳しいので専門業者に依頼しましょう
このように、床下調整材を撒くことでカビの発生を予防することができます。
床下換気扇を設置する
床下に換気扇を設置して、強制的に通気を良くする方法もあります。
これによって空気の循環が行われ、湿気を外に排出するので、床下の湿度が調節されます。
これも専門業者に依頼しましょう。
このように、床下換気扇を設置することでカビの発生を予防することができます。
まとめ
ここまで、床下のカビについて解説してきました。まとめると以下の通りです。
カビの発生条件
- 湿度(70%以上)
- 適度な温度(20〜35度)
- 栄養分(汚れや雑菌)
- 酸素
カビが発生しやすい環境では、同時にシロアリや腐朽菌も発生しやすくなります。
床下カビの発生原因
- 排水管から漏水したことがある
- 台風や洪水で床上、床下浸水した
- もともと田んぼや沼地など湿地帯だった
- 周囲の土地より低い
- 換気口が塞がれている
- 基礎部分がコンクリートでできている
カビ対策
- 換気口の通気をよくする
- 床下調整剤をまく
- 床下換気扇を設置する
このように、カビは健康被害や屋外被害を引き起こす可能性があるので、早めに対処しましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。