お家の基礎コンクリートに、「ひび割れがある!」と心配になった方は多いと思います。
実際に、基礎にひび割れがあるお宅は非常に多いです。なぜなら、コンクリートは、ひび割れを非常に起こしやすい建材資材だからです。
しかし、ひび割れを放っておいていいのか?と言われるとそうは言えません。
この記事では、基礎に発生するひび割れの原因と注意すべきひび割れを紹介していきます。
もくじ
基礎のひび割れの原因
基礎のひび割れにはさまざまな原因があります。
コンクリートの性質によるものや、外部的なこと、施工上の問題が挙げられます。以下のような原因であることが考えられます。
- 乾燥収縮
- 気温変化
- コンクリートの中性化
- 不同沈下
- 地震
- 施工不良
ここからそれぞれ解説していきます。
乾燥収縮
乾燥収縮よって、基礎にひび割れが起きてしまうことが多いです。
乾燥収縮とは、コンクリートが硬化して乾燥する過程で発生する現象です。そのため、コンクリートの特性上、どうしても細かくひび割れは起きるものだと認識しましょう。
コンクリートは、水・セメント・砂・砂利を混ぜ合わせてます。長時間かけ、内部の水分が蒸発して乾燥すると、コンクリートの体積が縮小します。この縮小により、基礎にひび割れが起きてしまう現象です。
このように、乾燥収縮によってひび割れが起きてしまうことが多いです。
気温変化
気温の変化によって、ひび割れが起きてしまうことがあります。
コンクリートは、気温の変化に影響を受けてしまいます。
例えば、夏の暑い時期に基礎が施工された場合は、乾燥は早いがコンクリート自体は安定していなく、気温が急激に下がることにより、ひび割れを起こしてしまうことがあります。
逆に、冬は内部の水分が凍結し、コンクリートが拡張してしまいます。これらを繰り返すことによって、ひび割れが生じてしまう可能性があります。
このように、気温の変化によってひび割れが生じてしまいます。
コンクリートの中性化
基礎コンクリートが中性化することにより、ひび割れが起きてしまいます。
コンクリートの中性化とは、大気中の二酸化炭素や雨がコンクリートに浸透することで、通常アルカリ性のコンクリートが中性化します。
これにより、アルカリ性で保護されていた内部の鉄筋が酸化します。酸化することにより、鉄筋がさびて拡張してしまいます。
特に、海の近くの塩分が多く含まれる環境では、塩類がコンクリートに浸透して中性化を進行させます。塩害で錆びやすいので、しっかりとした対策が必要です。
このように、コンクリートの中性化によって、内部の鉄筋がさびて拡張しひび割れが起きることがあります。
不同沈下
基礎の不同沈下によってひび割れが起きる場合があります。不同沈下は、地盤が不安定なため、基礎の一部が他と比べて異なる速度で沈下する現象です。
例えば、造成地に建物を建てる場合は、山を削っていたり、逆に盛り土をしている可能性があります。そのため、地盤は一定ではなく、場所によって全然強度が違う可能性があります。
もちろん施工前にしっかり調査し、そこにあった設計をすると思いますが、地盤の違いによって歪みが出てしまいひび割れが起きるということです。
不同沈下が起きてしまったら、事態は深刻ですので専門業者にまずは見てもらいましょう。
このように、地盤の違いで一部の基礎が沈下し、ひび割れが起きてしまう現象です。
地震
大きな地震によってひび割れが生じることがあります。
多少の地震では、基礎がひび割れることはあまりありません。しかし、大きな地震の揺れが何度も繰り返されたり、基礎の経年劣化によったりでひび割れしやすい状況になります。
このように、地震によってひび割れが起きることがあります。
施工不良
基礎の施工不良で、ひび割れが起こることがあります。
住宅の基礎にひびが入る原因は様々ですが、一般的な施工不良によるものもあります。以下の施工不良が考えられます。
- 不適切な配合・打設: コンクリートの配合が不適切であったり、振動作業が不十分だったりすることが考えられます。
- 基礎の適切な深さの確保: 基礎が適切な深さに掘り下げられていない場合、地盤の動きや変化に対して不安定になり、基礎にひびが入る可能性が高まります。
- 地盤改良の不足: 地盤が不安定な場合、適切な地盤改良が行われていないと、基礎が不均一に沈下し、ひび割れすることがあります。
- 施工中の気温や天候への対応: 施工中の気温や天候が考慮されていない場合、コンクリートの硬化に問題が生じ、ひび割れが発生することがあります。
このように、施工不良によるひび割れもあります。
注意すべき基礎のひび割れ
ひび割れと言っても、割れ方による程度があります。
以下のように、ひび割れの仕方には種類があり、早めの対処が基礎を長く保つ秘訣です。
- ヘアークラック
- 横方向に伸びるひび割れ
- 0.3mm以上、深さ4mm以上のひび割れ
- コンクリートの破裂、鉄筋の爆裂
ここからそれぞれ解説していきます。
ヘアークラック
ヘアークラックとは、髪の毛のような幅の狭いひび割れのことです。大体、幅0.3mm未満・深さ4mm未満が基準です。以下の写真のような感じです。
このように、ちょっとしたひび割れです。基礎の換気口の角などに発生しやすいです。
コンクリートの特性上どうしてもひび割れは起きるので、このまま経過観察で問題ないです。
ただ、早めの対処で悪いことはないので、雨水が入らないように、シーリングや塗装、エポキシ樹脂でひび割れを塞ぐのが吉です。
このように、髪の毛ほどのひび割れをヘアークラックと呼びます。この段階では、特段心配はありませんが、ひび割れを塞いであげることで、劣化の促進を遅らせることができます。
横方向に伸びるひび割れ
ひび割れは、基本的に縦方向に入ります。しかし、横方向(水平方向)に入ったひび割れは、自然発生する乾燥収縮のひび割れではなく、何かしらの力が加わっておきたひび割れの可能性があります。
このような横方向のひび割れは、注意が必要なので早めに専門家に見てもらいましょう。
0.3mm以上、深さ4mm以上のひび割れ
ひび割れが0.3mm以上、深さ4mm以上ある場合は、概ね補修が必要になります。
このぐらいのひび割れがあると、そこから雨水が侵入して、コンクリートをもろくしていってしまい、劣化を早めてしまいます。
さらに、コンクリートの中性化が進み、中の鉄筋がさびて膨張し、コンクリートを押し出し破壊する、「爆裂」という現象が起きてしまいます。
この爆裂が起きると、危険ですのでそこまでならないように、早めの対処が必要です。
これは怪しいなと思ったら、まずは専門家に相談してみてください。
このように、0.3mm以上、深さ4mm以上あるひび割れは、ほっとくと大惨事になるので、早めの対処が必要です。
コンクリートの破裂、鉄筋の爆裂
不同沈下や大きな地震、鉄筋の爆裂などによって、大きくコンクリートがひび割れてる、または剥がれてるなどといった状況は、非常に危険ですので、早めの補修が必要です。
言わずもがなこれはやばそうだなと思ったら、いち早く専門家に見てもらいましょう。
このように、見てすぐわかるひび割れは危険度が高いので早めの対処が必要です。
まとめ
ここまで、基礎に発生するひび割れの原因と注意すべきひび割れを紹介してきました。まとめると以下の通りです。
基礎にひび割れが起きる原因
- 乾燥収縮
- 気温変化
- コンクリートの中性化
- 不同沈下
- 地震
- 施工不良
注意すべきひび割れ
- ヘアークラック
- 横方向に伸びるひび割れ
- 0.3mm以上、深さ4mm以上のひび割れ
- コンクリートの破裂、鉄筋の爆裂
コンクリートの特性上発生する、ヘアークラック以外は早めの対処が必要です。長く安全に住むために、お家のメンテナンスは大事です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
それでは。