普段何気なく使っているコンセントには、使用限度があるのはご存知でしょうか?「そこにコンセントがあるから、とにかく挿してるの」という方が大半ではないでしょうか?
コンセントは誤った使い方をしてしまうと、火災の原因になったり、壊れて使用できなくなってしまいます。
そこでこの記事では、安全に使用していただくためにコンセントのW(ワット)数について解説していくとともに家電製品や分電盤の知識も紹介していきます。
コンセントは1500Wまで
基本的に1つのコンセントで、1500Wまでしか使用できません。以下の写真のように、コンセントはこのような表示がされています。
これは、「電圧は125V(ボルト)以下、電流は15A(アンペア)以下で使用してください」という表示です。そして、消費電力W(ワット)に関しては次のように計算し求めます。
電圧(V)×電流(A)=消費電力(W)
→125V(ボルト)×15A(アンペア)=1875W(ワット)
までがコンセントの使用限度を表してます。これ以上の電気量を使ってしまうとコンセントは壊れます。
ご家庭に流れる電圧(V)は100Vですが、多少は上下するので125Vは安全のためです。なので、現実的な数字は、100V(ボルト)×15A(アンペア)=1500W(ワット)ということになります。
例えば、電気ポット(1250W)と炊飯器(650W)をを同じコンセントで同時に使用したとします。
単純に1250+650=1900Wになります。これでは、コンセントが熱を持って火災の恐れや壊れる可能性が高くなります。こういった状態は、特にキッチンで起きやすいので注意しましょう。
このように、コンセントは1500Wまでということを認知しておきましょう。
そもそもW(ワット)とは?
W(ワット)とは、消費する電気エネルギーのことです。
例えば、電気ヒーターで「強1200W/弱600W」と表示がある場合は、「強にすると1200W電気を消費します」「弱では、600W消費します」ということです。
また他には以下のような単位表示があります。
- 電流→単位:A(アンペア)→電気の流れる量を表すもの
- 電圧→単位:V(ボルト) →電気を押し出す力を表すもの
- 電力量→単位:Wh(ワットアワー)→実際に使った電気エネルギー
Wh(ワットアワー)に関しては、電気の請求書などで表示されています。「今月はこれだけ電気を使用しました」という単位で使われます。
このように、消費する電気エネルギーのことをW(ワット)と言います。
キッチンの家電系はタコ足配線に気をつけよう
よくやりがちなタコ足配線は、いろんなコードに繋げているので、簡単に容量を超えてしまいます。
すると、コンセントが壊れたり、熱をもって、発火の原因になったりします。
タコ足配線をする際には、「これとこれは大丈夫だな」とある程度把握しておきましょう。特にキッチンで使用することの多い家電製品はワット数が高いので注意が必要です。
家電製品のワット数は、その家電によって違いますが、大体以下の通りです。
- 電子レンジ→1200~1400W
- オーブントースター→1,000W~1,500W
- 電気ポット→700~1,300W※保温時は約35W
- 電気ケトル→1000W〜1200W
- 炊飯器→350W~1,400W
- ホットプレート→700W~1,400W
- ミキサー→100W~400W
- コーヒーメーカー→450W~650W
- 冷蔵庫→150~300W
- ドライヤー→1000W〜1200W
- アイロン→930W〜1400W
- 電気ヒーター300W〜1200W
このように、熱を作り出す家電製品がワット数が高いので、キッチンでのタコ足配線はなるべく避け、コンセントの容量(1500W)を超えないように気をつけましょう。
家電製品の電力表示の見方
家電製品には電力表示が書いてあります。それをみてどのくらいワット数が使用されるか確認することができます。以下の電気ケトルの写真は、赤で囲った定格消費電力を見ます。
定格消費電力とは、機能を最大限に使用した場合の消費電力量のことです。また、電子レンジの際は以下のような表示がされています。
こちらも、定格消費電力を見ますが、定格高周波出力というものが紛らわしいですね。
定格高周波出力とは、「食品を加熱するために必要な高周波の値」で、ターンテーブルを回す電力や庫内のライト、モニター表示にかかる電力などは含まれていません。
電子レンジを動かすためのすべての電力「定格消費電力」を見ましょう。
このように、家電製品によって結構紛らわしい表示がされていますが、最大電力を使用した「定格消費電力」を見れば間違いないです。
お部屋のコンセントは2000Wまで
お部屋のコンセントは、合計で2000W以下で使用しましょう。なぜなら、20A以上使用するとブレーカーが落ちる仕組みになっているからです。⚠︎一般家庭の場合
つまり、電圧(V)×電流(A)=消費電力(W)の計算方式に従って、100×20=2000Wといことになります。
例えば、キッチンでオーブントースター(1200w)と電気ポット(1250W)を同時に使ったら1200+1250=2450Wなので、確実にブレーカーは落ちますね。
コンセントが違っても、同じお部屋でしたら、2000Wを超えないように時間をずらして使用するなどの工夫が必要だということです。
ちなみに、IHクッキングヒーターやエアコンは、基本的に単独回路でブレーカーと繋がっているので、そこはあまり気にしないで大丈夫です。
このように、基本的にお部屋全体のコンセントの使用限度は2000W以下だということを認識していれば、電気の使いすぎでブレーカーが落ちることは無くなると思います。
分電盤の仕組み
ここから、分電盤の仕組みがわかると、電気の使い方がよくわかるので紹介していきます。分電盤とはブレーカーがまとめてあるボックスのことです。以下のものです↓
これは、左からアンペアブレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカーとなっています。以下のような役割があります。
- アンペアブレーカー→電気の契約に応じて使いすぎだとブレーカーが落ちる仕組みになっています。上記の写真では30A契約ですので、一度に30A以上使えません。100V×30A=3000W以上電気を使わないように注意が必要です。
- 漏電ブレーカー→過電流と漏電を感知したら、ブレーカーが落ちる仕組みです。上記の写真では、30Aと書いてありますので、30A以上電気を使用すると落ちます。そして、漏電を感知してもブレーカーが落ちる仕組みになっています。漏電が起きるパターンとして、「外灯に水が侵入し、漏電した」とか「家電機器が壊れていて漏電してる」などといったことがあります。
- 安全ブレーカー→それぞれのお部屋やエアコン、IHクッキングヒーター、浴室暖房機など細かく分け、電気を使いすぎるとブレーカーが落ちる仕組みになっています。上記の写真では、それぞれ20A以上使用すると落ちます。
このような役割がありますので、どこのブレーカーが落ちたかによって、過電流なのか漏電なのか判断することができます。
例えば、キッチンだけ停電したならば、「一気に電気を使ってしまったのだな」と判断できます。その場合、ブレーカーを戻して、電気の使い方を工夫しましょう。
そして、漏電ブレーカーが落ちた場合は、どこかのお部屋で漏電している可能性があります。その場合、安全ブレーカーをすべて落とし、漏電ブレーカーを上げます。そして安全ブレーカーを一つずつ上げていきます。
その際に、安全ブレーカーを上げたタイミングで漏電ブレーカーが落ちたら、そのお部屋のどこかで漏電しています。そのお部屋のブレーカーは落とし電気業者にみてもらいましょう。
このように、分電盤の仕組みがわかると電気の使い方や対処の仕方がわかります。
まとめ
ここまで、コンセントのW(ワット)数や、家電製品の見方、分電盤の知識を紹介してきました。まとめると以下の通りです。
- W(ワット)とは、消費する電気エネルギーのこと
- コンセントは1500Wまでしか使用できない
- お部屋全体は、2000W以上使用すると安全ブレーカーが落ちる
注意事項
- タコ足配線には気をつける
- 家電製品の定格消費電力を確認しとく
このようなことを意識して、安全にコンセントを使用してください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは