家が停電して、ブレーカーを上げてもすぐ落ちて、焦っていませんか?それは、どこかの回路で漏電している可能性が高いです。
停電状態がずっと続いてしまうと、何もできないし、特に冷蔵庫のものがダメになってしまうのは最悪ですね。なるべく早く復旧したいと思いますよね。しかし、電気屋もすぐに来れないなんてことはザラです。
そこで、漏電している回路を特定して、それ以外の回路は使えるようにできるやり方があります。
これはやり方さえわかっていれば誰でもできます。
この記事では、漏電をしている回路の調べ方を解説していき、漏電の原因の傾向を紹介していきます。
漏電をしている回路の調べ方
漏電ブレーカーが上がらない場合は、どこかの回路で漏電しています。道具なしで、その回路を暫定的に特定する方法があります。以下の手順でやりましょう。
- 漏電ブレーカーが落ちているのを確認。以下の赤枠が漏電ブレーカーです。テストボタンがあるのが漏電ブレーカーと認識しておけばわかりやすいです。
- 安全ブレーカーも全て落とす。子ブレーカーとも呼ばれ、各回路で電気を使いすぎると落ちる仕組みのブレーカーです。たくさんあるブレーカーがそうです。以下の赤枠が安全ブレーカーです。
- 漏電ブレーカー、安全ブレーカーの両方とも落ちていることを確認
- 漏電ブレーカーをあげ、安全ブレーカーを一つずつ上げる
- 安全ブレーカーを上げた際に、漏電ブレーカーが落ちたらその回路が漏電しています。
- この要領で漏電している回路を特定して、その回路以外はブレーカーを上げる。
この手順で確認してみてください。これによって、漏電している回路以外は電気が使えるので、家全体の停電は避けれます。
一つ注意点としては、漏電ブレーカーが落ちた際に、レバーが中間で止まっている場合があります。この状態だとブレーカーを上げることができないので、一度完全に下まで下げてください。
その後、レバーを上に上げてください。
また、この手順をやったが全てブレーカーが上がることもあります。その場合は、ある条件(雨が降っている、家電を使った時)にブレーカーが落ちることも考えられます。
やはり完全に漏電の原因を特定するには、メガーという計測器を使用しない難しいので、電気業者に見てもらうことが必要です。
このように、漏電が起きている回路の特定方法を知ることで、とりあえずは電気を使えるようにできます。その後、電気業者にしっかりみてもらいましょう。
漏電が起きやすい場所や状況
ここから漏電の原因になりやすい場所や状況を解説していきます。主に、以下の状況が挙げられます。
- 外回りのコンセントや照明
- 家電品の劣化
- プラグがちゃんと挿さっていない
- タコ足配線
- 配線の劣化
- 雷被害
- 動物が配線を噛んだ
それぞれ解説していきます。
外回りのコンセントや照明
外回りのコンセントや照明が、漏電の原因であることがあります。
外回りのコンセントや照明は、雨や水の侵入を防ぐために防水処理をしています。しかし、経年劣化で防水処理のシーリングが切れていることがあり、そこの切れから水が侵入して漏電します。
また、海の近くでは塩害の影響で劣化が激しくなります。以下の写真は、塩害で照明が漏電を起こした事例です。
結構ひどいですね。塩害は厄介なので、こまめなメンテナンスが必要です。
さらに、コンセントや照明以外にも、電動シャッター、給湯器、エコキュートなどといった、外に面している、または外に置いてある電化製品も雨や塩害によってやられる可能性があります。
このように、外回りのコンセントや照明が雨や塩害によって、漏電を起こしてしまうことがあります。
家電品の劣化
UnsplashのBINGYEN STUDIOが撮影した写真
家電品の劣化によって、漏電します。
現代は、IHクッキングヒーター・食洗機・電子レンジ・トースターなどといったキッチン家電はじめ、洗濯機・温水便座・エアコンなど様々な家電製品にに囲まれていますね。
これらが、内部の絶縁処理が劣化し、漏電を起こすことがあります。
特に、水を使う家電は漏電する可能性が比較的高いです。例えば、IHクッキングヒーター、食洗機、洗濯機、温水便座は、注意が必要です。
これまでの漏電調査で、食洗機と温水便座が原因で漏電しているパターンは何度かありました。また、IHクッキングヒーターの魚焼きグリルを使用の際に、「グリルに水を入れすぎて、それがオーバーフローして一時的に漏電を起こす」ということがあります。
この事例は何度も見かけるので、IHの魚焼きグリルの使用の際は、水を入れすぎないように注意してください。
さらに、家電ではありませんが、「スマフォ充電器のアダプタが漏電しているケースもある」という事例を聞いたことがあるので、この辺も注意しましょう。
このように、家電品の劣化で漏電を起こします。
プラグがちゃんと挿さっていない
プラグがちゃんとコンセントに挿さっておらず、トラッキング現象が起き漏電することがあります。
トラッキング現象とは、コンセントとプラグの隙間にほこりがたまり、湿気を吸収することで、電気の通り道ができます。そのことで、電気がショートし発火する現象のことです。
これは火災の元になってしまうので、最も注意が必要です。以下の写真は、トラッキング現象が起き、コンセントが溶けて焦げてしまった写真です。
このような場合は、危険ですのでコンセントの交換が必要です。定期的に、コンセントにホコリが溜まっていないか、プラグはしっかり挿さっているか?の確認をしましょう。
このように、プラグがちゃんとコンセントに挿さっておらず、トラッキング現象が起きて漏電してしまうことがあります。
タコ足配線
タコ足配線によって、漏電に繋がります。
タコ足配線とは、一つのコンセントに何個もプラグを挿す繋ぎ方です。
コンセントは、1カ所あたりの電流の上限は15Aと決まっています。しかし、タコ足配線で電気製品を使用すると、上限以上の電流が配線に流れがちになります。その結果配線が発熱して劣化を早め、漏電につながります。
このように、あまりにもタコ足配線をすると、漏電につながるので、やり過ぎには注意しましょう。
配線の劣化
配線の劣化で漏電します。特に、「外まわりや屋上を経由して配線を這わしてる」場合は、電気ケーブルが劣化してきます。
外は、雨や日光の影響をもろに受けるので劣化がひどく、絶縁被膜が剥がれて、漏電する可能性が高いです。以下の写真は、メインの電気ケーブルがだいぶ劣化していたので、危険な状態でした。
このような状態になると、漏電はもちろん、ショートを起こして火事が発生する可能性もあるので、早めに配線の交換が必要です。
このように、配線の劣化で漏電の原因になります。
雷被害
雷の影響で、漏電することがあります。雷サージと言われる高電圧・高電流が、屋内に侵入することで、配線・コンセント・家電品などをダメにしてしまうことがあります。
「家に落ちてないから平気」というわけでなく、近く落ちただけでも、地面を這ってアース線を介して侵入(地絡)してきます。また、電話線・ネット線・アンテナ線・アンテナなどを介していろんなルートで侵入してくるので、正直防ぎようがありません。
先日、「雷の後に漏電が起きた」とのことで調査にいきましたが、その時は、電源線がやられていました。また、別の事例では、ダウンライトのコントロールスイッチがやられていたり、高電圧によってスイッチが吹き飛んでいたりといろんな被害があります。
雷の影響で漏電や被害があった場合は、保険が効くのでそれは認識しておきましょう。
対策は多少できたとしても、自然には勝てないのが事実です。
また、雷によって、電気ノイズと言われる現象で漏電ブレーカーが落ちるることがあります。これは、漏電ブレーカーの誤作動なので、ブレーカーが上がれば問題ないです。
このように、雷の雷サージによって、いろんなものがダメにされ、漏電が起きることがあります。
動物が配線を噛んで漏電
屋根裏に住む害獣が配線をかじったり、引っ掻いたり、またはペットが家電品のコードを噛んだり、ちぎったりして漏電を起こすことがあります。
害獣の主な動物として、ネズミ・ハクビシン・コウモリ・アライグマ・たぬき・イタチなどがあげられます。
屋根裏で物音がするのならば、その可能性もあるので業者に調査をしてもらうのが吉です。
このように動物が配線をかじったり、引っ掻いたりすることで、漏電の原因になります。
まとめ
ここまで、漏電をしている回路の調べ方や原因となる場所や状況を紹介してきました。まとめると以下の通りです。
漏電してる回路の調べ方
- 漏電ブレーカーが落ちているのを確認。
- 安全ブレーカーも全て落とす。
- 漏電ブレーカー、安全ブレーカーの両方とも落ちていることを確認
- 漏電ブレーカーをあげ、安全ブレーカーを一つずつ上げる
- 安全ブレーカーを上げた際に、漏電ブレーカーが落ちたらその回路が漏電しています。
- この要領で漏電している回路を特定して、その回路以外はブレーカーを上げる。
この手順で調べましょう。
漏電の原因になりやすい場所や状況
- 外回りのコンセントや照明
- 家電品の劣化
- プラグがちゃんと挿さっていない
- タコ足配線
- 配線の劣化
- 雷被害
- 動物が配線を噛んだ
このように、ある程度の知識を知っておけば、停電が起きた際も慌てずに対処できます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは。