分配器と分波器の違いをわかりやすく解説!!

 

分配器と分波器は一体何が違うんだろう?「見た目も似てるしよく分からない」という疑問を持っている方は多いと思います。

昔の私は、分配器以外に分波器というものがあることすら知りませんでした。

これらは、テレビ信号を分ける機器である点は共通していますが、この2つは電波の分け方が異なります。

この記事では、分配器と分波器の違いと、それぞれを正しく使用できるように解説しました。最後までご覧ください。

分配器とは

分配器とは、1つのテレビ端子からテレビの信号を均等に分ける機器です。

単純に「テレビ信号を複数に分配する」ということです。もっと詳しく以下のトピックでそれぞれ解説していきます。
  • 分配器の使い方
  • 分配器の接続方法
  • 分配器の注意点
このように、分配器はテレビ信号を分配するものです。ここから詳しく解説していきます。

分配器の使い方

分配器は、「テレビを増やしたい場合」や、「テレビとレコーダーにそれぞれ配線したい場合」など、テレビの信号を分配するために使用します。

例えば、テレビを2つのお部屋で見たい場合は、アンテナ線を2分配する必要がありますね。

その場合は2分配器が必要です。以下の図で確認してください。

また、テレビとレコーダーを分けて配線したい場合も2分配器が必要になります。以下の図で確認してください。

このように、分配器はテレビを増やしたい場合や、テレビやレコーダーにそれぞれ配線したい場合に使用します。他にも、4分配器、8分配器などがあるので必要な分配器を使いましょう。

分配器の接続方法

分配器の接続方法は簡単です。

壁にあるテレビ端子に同軸ケーブル接続し、分配器の入力に繋げます。分配器の出力からそれぞれ接続したい機器の入力端子に接続します。

以下のようにやりましょう。

このように、壁のテレビ端子→分配器→テレビの入力端子に繋げます。

分配器の注意点

分配器を使用する上での注意点が以下の二つがあります。

  • 分配の数が多くなるほど、信号が減衰する
  • BS・CSの衛星放送用アンテナは給電が必要

ここからそれぞれ解説していきます。

分配の数が多くなるほど、信号が減衰する

分配器は、テレビの信号を均等に分配するため、4分配、6分配、8分配と数が増えるごとに信号がどんどん弱くなっていきます。

地デジ放送やBS・CSなどの衛星放送は、ある一定の信号を下回ると全く写らなくなるので、注意が必要です。

基本的に、3分配以上するようなら、「ブースター」というテレビ信号を増幅する機器をかませないと、うまく映りません。以下の写真は、室内用と屋外用のブースターの写真です。

以下の記事でブースターについて解説しているので気になる方は、ご覧ください。

テレビのブースターとは?いる?いらない?

このように、分配していくとテレビ信号が減衰していくので、ブースターが必要になってきます。

BS・CSの衛星放送用アンテナは給電が必要

もう一つの注意点として、BS・CSの衛星放送用アンテナを使用してる場合に気をつけてほしいポイントがあります。

BS・CSの衛星放送用アンテナは、給電が必要です。給電とは、電源を供給することです。

そのため、衛星放送用アンテナに電源を送る必要があり、テレビからもらうか、ブースターからもらうか?という形をとっています。

ブースターから給電してある場合は、何も気にしなくていいのです。しかし、テレビからの給電する場合は注意が必要です。

分配器には、2種類あります。それは、給電できない端子を持つ「1端子通電型」と、すべての端子から給電できる「全端子通電型」に分かれています。以下の特徴があります。

  • 1端子通電型→分配器の1回路のみ電源を供給できるタイプ
  • 全端子通電型→分配器の全部で電源供給できるタイプ

テレビから給電する場合は、分配器を経由することがほとんどなので、1端子通電型はBS・CSを見るお部屋の配線を接続しなくてはなりません。

この辺がよくわからないという方は、何も気にしなくていい全端子通電型の分配器を使ってしまいましょう。

ただし、1端子通電型と全端子通電型は、値段が大きく違うので気をつけましょう。1端子通電型は「安価」、全端子通電は「高い」というコスト面での違いになるので、ご自身で購入は判断してください。

このように、BS・CSを見る場合は、分配器の選び方に注意が必要です。

1端子通電型と全端子通電型を理解し、ブースターから給電しているのか、テレビから給電しているのか把握し、分配器を選びましょう。

分波器とは

分波器とは、「地デジ」と「BS・CS」の信号を分離するものです。分配器にすごく似ていますが、役割は大きく違います。以下のトピックで説明していきます。

  • 分波器の役割
  • 分波器の接続方法
  • 分波器の代わりに分配器は使える?

ここから、それぞれ解説していきます。

分波器の役割

分波器とは混合された「地デジ」と「BS・CS」の電波を、それぞれの信号に分ける機器です。以下のものです。

地デジとBS・CS放送を受信している場合、通常は家庭のテレビ端子は1つの端子から地デジとBS・CS放送の両方の信号が混合されて出力されています。

この信号をテレビの手前で、「地デジ」と「BS・CS」のそれぞれの信号に分ける必要がります。

そこで分波器の出番ということです。また、分波器は分配器と違って電波を分配しても、電波はあまり弱くなりません。

このように分波器は、「地デジ」と「BS・CS」の電波を、「分波する」分ける機器です。もちろん、BS・CSを視聴していない様なら分波する必要はありません。

分波器の接続方法

分波器の接続方法は、地デジ(UHF)とBS・CSの出力を機器側の地デジ(UHF)とBS・CSの入力に差してあげることが大事です。

あとは、分波器の入力側にテレビ端子の出力を差してあげるだけです。以下の図の流れです。

稀に、テレビ端子が地デジ用とBS・CS用に分かれていることがあるので。その場合は分波器は必要ありません。

このように、テレビ端子から分波器の「入力」へ接続します。分波器の出力は、テレビやレコーダーの「入力」に差し込みましょう。この時、地デジ(UHF)とBS・CSの差し込み口を間違えない様にしましょう。

分波器の代わりに分配器は使える?

結論を言うと、分波器の代わりに分配器は使えます。

分配器はテレビ信号を均等に分ける機器であり、出力端子側からは、地デジと、BS・CSの2種類の電波が混ざった信号がそれぞれ均等に出ています。

地デジとBS・CSの混ざった信号でも、テレビの地デジ端子、衛星放送端子それぞれに、必要な電波自体は届くので、テレビは映るということです。

ただし、分配器を代用する際には注意が必要です。

分配器は信号が減衰してしまうため、電波の弱い地域や、BS・CS放送(特に新4K8K衛星放送)などで使用される高周波帯域では、一部のチャンネルが映らなくなってしまったり、ノイズが出てしまったりすることがあります。

そのため、地上デジタル放送、BS・CS放送のどちらもきれいに映したい場合は分波器の購入をおすすめします。

このように、分波器の代わりに分配器は使えますが、不具合が出る可能性があるので、基本的には分波器の使用が吉です。

まとめ

ここまで、分配器と分波器について解説してきました。まとめると以下の通りです。

  • 分配器は、均等にテレビ信号を分配する。テレビの数やレコーダーにそれぞれ配線する場合に使用する。そのため、信号は減衰していく。
  • 分波器は、「地デジ」と「BS・CS」の信号を分離する機器。信号は減衰しない。

このように、分配器と分波器は似ていますが、それぞれの役割があります。正しく使うようにしましょう。

ここまで、読んでいただきありがとうございました。

それでは。